評価:4
現段階で、SONY Eマウント(APS-C)用にF2.8通しの標準ズームレンズはまだ発売されていません。Eマウントで16-50mm F2.8が出るという噂は長いことあるのですが、なかなか実現されません。
その噂をずっと楽しみにしていたのですが、F2.8通し標準ズームが欲しくて我慢ならず、アダプタを介してAマウントの当レンズを使ってみることにしました。
今回は、いつも使っているα6500と組み合わせて使ってきた感想も合わせてご紹介させてください。
Eマウント機を使っていて、比較的安価なAマウントレンズを使ってみたいという方などに少しでも参考になればうれしいです。
『SAL1650』のスペックと特徴
スペック
まずは、レンズの主なスペックを表にまとめてみました。
正式名称 | DT16-50mm F2.8 SSM SAL1650 |
マウント | SONY Aマウント |
焦点距離 | 16-50mm (フルサイズ換算 24-75mm) |
開放F値 | F2.8 |
手振れ補正 | なし |
サイズ | 最大径:81 x 長さ:88 mm |
重量 | 577g |
フィルター径 | 72mm |
最短撮影距離 | 0.3m |
最大撮影倍率 | 0.2倍 |
価格 | 51,000円(記事作成時の最安値) |
外観
フィルター径72mmなので、太さがありますが全長は抑えられています。
外観に関しては、α6500に純正F2.8標準ズームを!Aマウントレンズ「SAL1650」を買いましたという記事にいっぱい写真を載せていますので、参考にしてみてください。
Eマウントには無い大口径標準ズームレンズ
Eマウントで発売されている標準ズームレンズは『Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS SEL1670Z』『E PZ 18-105mm F4 G OSS SELP18105G』『E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS SELP1650』の3本ですが、この中にF2.8通しのレンズはありません。
F2.8通しのズームレンズは大三元と呼ばれ、各マウント内での目玉レンズと言われています。その大三元レンズがEマウントに無いため、もしSONY純正レンズを使用したいとなると、AマウントのSAL1650しかありません(フルサイズは除きます)
SONYさんが、Eマウント(APS-C)の開発にも注力していくとの発言があり、F2.8通しの標準ズームレンズが発売される噂もありますので、気になる方は動向を要チェックしてみてください。
『SAL1650』とα6500の組み合わせ
手に持った感じ
この組み合わせだとα6500(約453g) + LA-EA3(約105g) + SAL1650(約577g) = 約1,135gとなります。APS-Cとしてはなかなか重量級です。バランス的にはボディのグリップ部だけで持っているとレンズに重心が来てしまいます。しかし、アダプタ部分がくびれになっていて、そこを持つと一気にハンドリングがしやすくなります。
さすがに首や肩に長時間さげていたら痛くなるけどね
AF速度
使ってみる前に一番気になった点がAF速度です。
アダプタを介すと、AF速度は遅くなりがちです。
実際使ってみると、LA-EA3というアダプタを介すのでAFがワンテンポ遅いのを感じます。AF合致する際の感じですが、SEL1670Zが「スッ」ピピッなら、SAL1650は「ツーーーツツツ」ピピッって感じです。
個人的感想はそれほど遅くないと感じました。しかし、走り回る子供やスポーツを撮るには向いてないように思います。風景やカフェやポートレートなど、静物を撮る分には必要十分なAF速度だなと感じました。
僕の用途だと静物が多いので、ワンテンポの遅れはあまり気になりません。
ボディ内手振れ補正との相性が抜群
SAL1650はレンズ内手振れ補正が付いていません。Aマウントはボディ内手振れ補正を前提にしたマウントなので、全て手振れ補正無しなのです。
そこで、α6500のボディ内手振れ補正は効果を発揮してくれます。レンズをちゃんとホールドして構えると、手振れ補正の効果がはっきりと感じられます。
F2.8といえ、単焦点レンズの開放よりも暗いのですが微ブレを含めた手ブレ写真というのがほんとに少ないです。
ブレてない写真ってだけで、少し上手に見えちゃいます。
『SAL1650』作例
撮影時はWB手動設定で、露出補正しているものが多いです。
空の写真
空の青が良い感じに出てくれるように思います。季節や陽の光の強さ、雲の量で色んな青を表現してくれますので、風景写真にも役に立ってくれます。
テーブルフォト的な写真
換算24-75mmという焦点距離のズームレンズなので、椅子に座っている状態でも撮りやすいです。それに、75mmまでズームできるのでボケを生かした写真も撮りやすいのでテーブルフォトに重宝してくれます。
広島カフェの撮影も、広角24mmで店内や外観を撮影し、望遠75mmでコーヒーやスイーツを良い感じにとることができて便利です。
人物の写真
がっつりとポートレート撮影を撮ったことは無いので詳しくは言えませんが、色乗りがよく被写体を際立たせてくれます。
木漏れ日な写真
SAL1650で撮る木漏れ日写真って、なんだかとっても好きなんです。ハイライトがキレイでシャドウは潰れすぎていない、でもコントラストが強い印象的な写真になってくれます。
逆光で写しても、解像感は無くならないので積極的に逆光写真を撮ってみたくなります。
美味しそうな写真
色乗りがいいレンズって、食べ物を美味しそうに見せてくれます。
手持ちのコロッケの写真も、こってりした色で美味しそうです。F2.8で背景もそこそこボカすことができるので、よりコロッケが際立ってくれます。
色乗りこってりで被写体が浮き上がってるように写るのが好みです。
個人的な『SAL1650』『SEL1670Z』『SELP1650』の使い分け
実は今、手元に標準ズームレンズが3本もあります。
SAL1650、SEL1670Z、SELP1650の3本です。どれだけ標準ズームが好きなんだと思われるかもしれませんが、この3本はどれも個性的なレンズで僕はこんな感じで使い分けをしています。
- SELP1650→日常、散歩、週末のお出かけ、旅行
- SEL1670Z→1本だけ済ませたいとき(出張時のお供にも)
- SAL1650→広島カフェのような目的のある撮影
SELP1650はホントにコンパクトで写りも十分です。そのため、日ごろはα6500につけっぱなしにしているレンズです。SELP1650に関して『SELP1650』レビュー。わずか116g、日常に馴染む標準ズームレンズという記事を参考にしてください。
SEL1670ZはF4通しの標準ズームでEマウント(APS-C)としては最上級の標準ズームとなります。すごく汎用性の高い1本でお気に入りです。詳しくは『SEL1670Z』レビュー。スナップにもポートレートにも幅広く使えるF4通しレンズ【作例多め】という記事を参考にしてください。
SAL1650は色乗りが良く好みの色が出るので、広島カフェ撮影やイベントなどの目的のある撮影に最高です。
実はSELP18105も気になってます。
『SAL1650』の良いところ悪いところ
SAL1650の良いところ(α6500に付けた場合)
- F2.8通しという明るさ(Eマウントには無い大三元レンズ)
- Aマウントレンズは比較的安価(SAL1650の美品で2万5千円で購入)
- 色乗りが良くてこってりした写り
SAL1650の悪いところ(α6500に付けた場合)
- アダプタを介すため、Eマウント最新レンズを使うよりもAFがワンテンポ遅い
- Eマウント機にはアダプタを介す必要がある(別途購入、重量が増す、など)
- Eマウント機に付けた場合、見た目のバランスがちょっと悪い
まとめ
Eマウントには無いスペックのレンズをAマウントから引っ張ってきてみたのですが、思った以上に活躍してくれています。
当初、懸念していたAF速度も用途によりますが静物では問題ありません。室内や夜間でもちゃんとコントラストの強いところにフォーカスが当たってくれます。
特に晴れた日の空が良い色が出てくれます。
α6500でF2.8通し標準ズームが欲しい方、是非検討してみる価値ありだと思います。
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