7Artisans(七工匠)というメーカーから発売された、Nikon ZのAPS-C用のMF単焦点レンズ『7Artisans 35mm F1.4 Mark II』を購入したので紹介します。
Nikon純正ではズームレンズしか発売されていない(2021年現在)ので、Z 50に単焦点レンズを使いたいなと思って購入してみました(FTZは購入予定無しなので…)
しかもこのレンズ、8千円台で購入できるというお手頃価格なんです。
結論から言うと、値段に釣られて購入しても十分楽しく使えるレンズだなという印象。値段なりの部分もあるのですが、Nikon Z 50でもっと写真を楽しみたいなぁと思われている方にぜひチェックしてみてもらいたい1本です。
今ならクラシカルなZ fcに付けるMF単焦点レンズとしても良さそう!
気になるところまで読み飛ばしてもOKです
7Artisans(七工匠) 35mm F1.4 Mark II
レンズスペックと競合比較
今回購入した『7Artisans 35mm F1.4 Mark II』と、似たようなスペックの他社レンズとの比較表を作ってみました。
今回レビューのレンズ | |||
メーカー | 7Artisans | TTArtisan | PERGEAR |
製品名 | 35mm F1.4 Mark II | 35mm F1.4 | 35mm F1.2 |
焦点距離(35mm換算) | 35mm(52.5mm) | 35mm(52.5mm) | 35mm(52.5mm) |
F値 | F1.4~F16 | F1.4~F16 | F1.2~F22 |
フィルター経 | 49mm | 39mm | 48mm |
最短撮影距離 | 0.35m | 0.28m | 0.25m |
AF/MF | MF | MF | MF |
重量 | 228 g | 193 g | 210 g |
価格 | ¥8,410 | ¥8,910 | ¥11,536 |
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PERGERARからはF1.2という、より明るく大口径なレンズが発売されています。どのレンズも値段が安くそこそこ評判が良いレンズが多い印象です。
このあたりは似たようなスペックなので、見た目で選ぶかF値で選ぶかっていう感じかなと思います。
今回、僕は見た目で選びました!しかし、35mmの赤いフォントが微妙だった笑
付属品
付属品はこちら。必要最低限といった感じ。
- レンズ
- 元箱
- 説明書
- フロント/リアキャップ
外観と操作感
絞りリング
ここ、ちょっと微妙ポイントなのですが、絞り値がF4〜F8、F8〜F16の間の値が書かれていないので不便だなと感じました。
その間はざっくりと設定するしか無いのですが、ちょっと間空きすぎじゃないですか…
クリック感も無いので、F5.6とかF11は適当です。
フォーカス移動でのレンズ繰り出し
フォーカスを移動させたときのレンズの繰り出し量はこちらです。
赤いフォントがちょっとダサい気がする…
このレンズ、見た目で選んだのですが、実物を見てここはちょっと残念だったなぁと感じています。
レンズの質感も金属感があって決して安っぽく無いのですが、この35mmというフォントの色が赤いのが個人的にかっこ悪く感じました。
フォントが微妙なのはこの際いいけど、色は白でよかったのでは。
かぶせ式のレンズキャップ
レンズキャップはかぶせ式です。スカスカした感じは無くて、持ち歩いてるときにスルッと落ちたりしそうなことはなかったです。
Nikon Z 50への装着
Nikon Z 50に装着したところを何枚か写真に撮ってみました。
色も質感も良くて、Nikon機と合ってるなぁというのが感想です。大きさも丁度よくてグリップもしやすいです。
カメラとも丁度いいバランスで見た目かっこいいです。
絞りによるボケ・解像度・収差など
絞りによるボケや解像度の変化
三脚を持っていなかったので手持ち撮影になってしまったのですが、絞り別に撮ってみました。
F1.4となるとAPS-Cでもかなりボケます。これだけボケるとMFでのピント合わせが難しいので、個人的にはF2.8やF4くらいをよく使うことになりそうだなと思いました。
歪曲収差・周辺減光
次に、家にあるカッターマットを撮ってみました。正確さは担保できませんが、樽型の歪曲と周辺減光の具合が分かるかなと思います。
開放F1.4だと周辺減光がかなりありますが、F2.8になると周辺減光も全然気にならないくらいです。
こうやって見ると歪曲収差大きいなと思いますが、実際にスナップするとどうか、次に作例を載せてみたので参考にしてみてください。
[作例]7Artisans(七工匠) 35mm F1.4 Mark IIで撮ってみました
スナップ用途に買ってみたので、空き時間に広島駅周辺をサクッと撮り歩いてみました。解像度はブログ用まで落としているのですが、雰囲気は感じてもらえるかと思います。
久しぶりのMFレンズのスナップなので、見返すとピントの甘い写真が多かったです笑
感想としては、これが8千円台のレンズなのか…ってくらい写りも良くて撮っていて楽しかったです。
真っ直ぐな建築物を撮ると歪曲収差が気になりますが、スナップ用途ならそこまで気にならないです。
Z 50との組み合わせは軽くてスナップにぴったりです
Nikon Z 50でMFレンズを使う時に便利な設定
Nikon Z 50を買って初めてのMFレンズだったため、最初はピント合わせに苦労しましたが、少し設定を変更すると使いやすくなったので紹介します。
EVFやモニターではピント位置が分かりにくいので、拡大しようと思ったら液晶モニタの拡大をタップする必要があるんですけど、ファインダーを覗いたままだと場所が分かりにくくて押せないんです…
その後、拡大した画面を元の倍率に戻そうとすると、さらに縮小をタップしないといけないのに場所が分かりにくいという…
物理ボタンだったら良かったのに。
解決策としては、OKボタンを「拡大画面との切り替え」を設定することです。
設定方法を説明します。
これで、OKボタンを押すたびに拡大と原寸表示を交互に確認することができて、MFがとってもやりやすくなります。
初期設定ではフォーカス位置のリセットを行うようになっていたのですが、MFレンズではフォーカス位置変更は不要です。MFレンズを使う時だけボタンカスタマイズを変更するのも面倒ですけど、MF操作がめちゃめちゃやりやすくなるのでオススメの方法です。
Nikon Z 5/Z 6/Z 7などフルサイズ機で使う際に必要な設定
Nikon Z 5/Z 6/Z 7などのフルサイズ機で使う際には、撮像範囲設定をDXにしないとケラれてしまいます。
設定は簡単なので、説明します。
撮像範囲設定をDXにする
もともとはFX(フルサイズ)になっているため、APS-C用のレンズをつけるとケラれてしまいます。
そこで、撮像範囲設定メニューでFX→DXに変更します。すると、DXクロップされて写すことができます。
総評・まとめ
7Artisans 35mm F1.4 Mark IIの紹介でした。
現状、Nikon Z用のAPS-C単焦点レンズが純正で用意されていないので、サードパーティレンズとして貴重な1本です。
値段なりの部分もありますが、気軽に買えて気軽に楽しむのには丁度いいバランスだなと感じました。建築物を撮ると歪曲収差が気になりますが、スナップや子供を撮るくらいなら全然気になりません。
Nikon Zの優秀なズームレンズもいいけど、単焦点レンズを楽しみたいなっていう方にオススメしたいレンズです。
[ 気に入っている点]
- 8千円台と気軽に買える価格
- Zマウントの選択肢を増やしてくれる
- F1.4と大口径でありながら軽くてコンパクト
- 金属製の鏡筒がひんやりと高級感ある
[ 気になる点]
- 絞り値がF4〜F8、F8〜F16の間の値が書かれていないのが不便
- 歪曲収差はお値段なり
- 赤いフォントがダサい…
Nikon Z 50やZ fcでもっと写真を楽しみたいときに試してみてもらいたい1本です!
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