Nikonから待望の小型単焦点レンズ『NIKKOR Z 40mm f/2』が発売されましたので予約して発売日に入手しました。
1日使ってみた範囲ではありますが、気になる方が多いと思うので色々と使ってみてレビューしてみました。
いきなりですが、最初にこのレンズのことをまとめみます。
いいところ
- F2という明るさで2万8千円台という手頃な値段
- 軽くてコンパクトで日常使いに最適
- 焦点距離40mmが使いやすい
わるいところ
- Sラインと比べると質感や写りは劣る
- レンズ横のFnボタンを多用するので、レンズ横を爪で引っ掻く傷がつきやすそう(素材的に)
- ボケが若干うるさい感じはする
結論を言うと、この値段でこの写りが手に入るのなら、Nikon Zを使ってる人で家族を撮ったりスナップを撮る人にめっちゃおすすめしたいレンズです。
ただ、すでにZ 35mm f/1.8 SやZ 50mm f/1.8Sを常用していて満足している人は、そっちを使うほうが幸せだと思います。ちょっとしたお出かけに持ち出し用にならアリです。
また、Z fcやZ 50などのAPS-Cを使っていて、レンズキットの次にぜひ勧めたい1本です。理由としては値段と写りのバランスが良いという点。新品で3万円せずに買うことができて、F2という明るい単焦点レンズを味わえるのはかなりのメリットです。
この値段でこのスペックと描写が手に入るなら最強コスパレンズです!
長いので気になるところまで読み飛ばしてね
Nikon NIKKOR Z 40mm f/2
レンズスペック
正式名称 | NIKKOR Z 40mm f/2 |
焦点距離 | 40mm (APS-Cで使うと60mm) |
開放F値 | F2 |
手振れ補正 | なし |
サイズ | 最大径 70 x 45.5 mm |
重量 | 170g (キャップ含めると実測195g) |
フィルター径 | 52mm |
絞り羽根 | 9枚 |
最短撮影距離 | 0.29m |
最大撮影倍率 | 0.17倍 |
発売日 | 2021年10月1日 |
価格 | 28,710円(記事公開時) |
メーカーサイト | メーカー製品情報ページ |
最短撮影が29cmなのでカフェや飲食店でのテーブルフォトにも十分使えます。
重量
仕様上は170gとありましたが実際に計ってみると195gとありました。レンズキャップ、リアキャップを入れたからですかね。いつも使っているZ 7と組み合わせてみると847gでした。
いつもZ24-70mm F4やZ50F1.8Sを使っていると1kg超えるので、めっちゃ軽っっ!と思ってしまいました。
やっとZに小型単焦点レンズが発売されたなぁと一人で物思いに耽ってしまいました。
付属品
付属品はこちら。フードは無いんですねー。
- レンズ
- 元箱
- 説明書
- フロント/リアキャップ
外観と操作性
フォーカスリングのみのシンプルな外観です。AF/MFスイッチが無いので、Z fcやZ 50などのFnボタンが少ないボディではカメラ側での制御が必要な点は少し面倒かも。
手に持った感じはかなりコンパクトで軽いです。
フィルター経は52mmで、マウント部はプラスチックです。マウント部にカバーがあり、簡易的な防塵防滴仕様となっているみたいです。プラマウントが気になる方もいるとは思いますが、軽量化と低価格に繋がっているので個人的にはアリかなと。
今手元にあるZレンズと大きさ比較
今手元にあるZレンズで一番小さかったZ 24-50mm f/4-6.3(写真左)と、Sラインの単焦点レンズZ 50mm f/1.8 S(写真右)と大きさを比べてみました。
Z 24-50mm f/4-6.3 よりも小さいことに驚きです。
Z 7への装着
Nikon Z 7に装着したところを何枚か撮ってみました。
今まで使っていたズームや単焦点レンズに比べて半分程度の大きさで、カメラバランスも良くてグリップもしやすいです。
小さなカバンでもすっぽり入れやすい大きさなので、お出かけに持って行きたくなります。
絞りによるボケ・解像度・収差など
歪曲収差・周辺減光
次に、家にあるカッターマットを撮ってみました。正確さは担保できませんが、歪曲収差の少なさと周辺減光の具合が分かるかなと思います。
歪曲自動補正をON/OFFのときで撮ってみましたが、OFFの状態でも歪曲収差がこれだけ少ないとは驚きでした。このコンパクトなレンズを光学系に歪曲が無いように設計されてるのはかなり難しいのでは?
周辺減光は1段絞ればかなり改善しますが少し残っているなぁって印象で、F4まで絞ればほぼ改善されます。というか、2.8でもほぼ問題ないです。
自動補正ONの状態
自動補正OFFの状態
[作例]Nikon NIKKOR Z 40mm f/2で撮ってみました(カメラ:Z 7)
最初は せっかくなので開放のF2で撮り歩いています。
全てRAWで撮って、Lrで明るさを調整するくらいで色はいじっていません。
発売日に届いて、お昼休みにスナップを撮り歩いてみました。まだ使い始めたばかりなのですが、かなり良レンズの予感です。
部屋から駐輪場に出て何気なくパシャリと1枚。Z 40mmを使ったファーストショットになったのですが、これほんとに3万円以下のレンズなの?って驚きました。立体感というかスッキリした好みの写りだなと感じました。
ほんの~りパープルフリンジが出てるぽい?かなと思いますが、これくらいならLrですぐ消せます。
あとでボケの作例を載せていますが、Sラインの単焦点レンズに比べるとボケがざわついているかなと感じました。
開放F2で晴天の中撮ると周辺減光を感じますが、とにかく色乗りが良いなという印象です。濃いいなと感じるかたはピクチャープロファイルをニュートラルにしたり、現像時に彩度を落としたりとしたほうがいいかも。
アンダー気味に花を撮ってみましたが、雰囲気良い感じになります。
最後のお好み焼き屋さんだけF8で撮った写真になります。
晴天の昼間で撮ると、開放F2でもすぐ1/8000を超えてしまいますので、夏はNDフィルターが必要になるかもです。
ボケ具合
ボケ具合を見るために、極端に撮ってみました。
スナップしている途中に、ボケが若干うるさいかなぁと感じました。Sラインの単焦点レンズの方がボケはキレイですが、値段を考えると当たり前ですよね。
とはいえ、このボケきらいじゃないです。F2で作ってくれてニコンさんありがとうという気持ちです。
太陽を入れて逆光での撮影
次に極端に太陽を入れて逆光で撮ってみました。フレアやゴーストを出そうと頑張ったのですが、これが限界です。
ほんの少しゴーストが出てますが、逆光でも色がのってきてるし、十分な逆光耐性と言えるのではないでしょうか。
最短撮影距離の開放で撮った例
次に室内で最短距離29cmの位置で開放F2で物撮りをしてみました。
普段はこんなことしませんが、参考程度に。滲んで柔らかい写りですね。
総評・まとめ
Nikon NIKKOR Z 40mm f/2 の紹介でしたが、いかがでしょうか。
現状、純正Zレンズとして数少ない小型単焦点レンズです。小型なのでAPS-CのZ fcやZ 50に着けて使っても丁度いい大きさと焦点距離(換算60mm)となります。
僕は主に家族でお出かけするときに使おうかと思っていますが、カフェでのテーブルフォトにも活用したいなと思っています。
Nikon Z 5+24-50ズームレンズを購入して次の1本を考えている人や、Z fcやZ 50のレンズキットの次の1本を考えている人にぜひおすすめしたい1本です(値段的にも優しい)
気に入っている点と気になる点などまとめるとこんな感じです。
[ 気に入っている点]
- F2という明るさで2万8千円台という手頃な値段
- 軽くてコンパクトで日常使いに最適
- 焦点距離40mmが使いやすい
[ 気になる点]
- Sラインと比べると質感や写りは劣る
- レンズ横のFnボタンを多用するので、レンズ横を爪で引っ掻く傷がつきやすそう(素材的に)
- ボケが若干うるさい感じはする
と、気になる点をつらつら書いたのですが、メリットの方が大きすぎてデメリットは無いに等しい印象です。
鏡胴の素材や質感は値段を考えると十分ですし、写りも良い。F2という明るいレンズながら軽くてコンパクトで持ち出しやすい。
Sラインのレンズと写りを比べると、クリアさが足りなくてボケが若干うるさいなと感じましたが、そんなことよりいっぱい持ち出していっぱい撮りたくなるかわいいレンズです。
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