SAMYANGからAF 50mm F1.4の後継機「AF 50mm F1.4 FE II」が2021年12月24日に発売されました。I型に比べて動画撮影性能の向上に加えて、前モデルの585gから420gへの大幅な軽量化などのリニューアルとなっています。種類が豊富なEマウントの大口径標準レンズの中でも手を出しやすい価格ですので、総合的にかなりおすすめできる1本になっています。
新しくシンプルなデザインの外観と作例をあわせてレビューしてみますので、少しでも参考になれば幸いです。
- 大口径AFレンズの中で最軽量(420g)で扱いやすい
- 純正のSEL50F14Zに比べて小型軽量(約350g軽い)でお手頃価格
- Ⅰ型に比べてシンプルなデザインがかっこいい
- Eマウント用のAFが使えるF1.4単焦点レンズではかなり手が出しやすい値段
- フォーカスブリージングが抑えられていて動画も撮りやすい
SAMYANG AF 50mm F1.4 FE II
箱からレンズを出したときの第一声が「軽っっ」でした。
私はスナップ写真や家族写真をよく撮っているのですが、子供連れで出かけるときに機材が少しでも軽いっていうのは嬉しいポイントです。F1.4という明るさは夏の夜に花火をして遊ぶときにも雰囲気のある写真が撮れましたし、真っ暗な室内で誕生日ケーキにろうそくを立てているところを撮るときも重宝しました。
逆に昼間の明るいときに開放で撮ろうと思うとシャッタースピードが足りなくなってしまいがちなのでNDフィルターを用意する必要があります。動画撮影時にも必須ですね。
可変NDフィルターが1枚あると便利です。
レンズスペック
正式名称 | AF 50mm F1.4 FE II |
焦点距離 | 50mm (APS-Cで使うと75mm) |
F値 | F1.4~F16 |
手振れ補正 | なし |
最大径 x 長さ | 80.1 x 88.9 mm |
重量 | 419g(スペックシートでは420g) |
フィルター径 | 72mm |
絞り羽根 | 9枚 |
最短撮影距離 | 0.40m |
最大撮影倍率 | 0.16倍 |
発売日 | 2021年12月24日 |
価格 | 約8.7万円(記事公開時) |
メーカーサイト | ケンコー・トキナー詳細ページ ケンコー・トキナー オンラインストア Samyang詳細ページ |
レンズ構成図とMTF曲線
72mmのレンズフィルターも合わせて購入
付属品
付属品は「レンズキャップ」「レンズフード」「ポーチ(布製ソフト)」となっています。
キャップ、フード
ポーチ
SDカードやキャップやバッテリーなどを入れるのに使うので、ポーチは何個あってもいいです!
重量
レンズ本体は419gでキャップやフード、SONY α7Ⅳと合わせた重量を測ってみました。
- レンズ本体:419g
- レンズキャップ+レンズフード:73g
- α7Ⅳに装着(フードなし):1100g
- α7Ⅳに装着(フードあり):1139g
F1.4の明るい大口径AFレンズで 419 gってかなり軽くて驚きです。
AF 50mm F1.4 FE II の特徴
フォーカスホールドボタンとカスタムスイッチを搭載
レンズ側面にボタンやスイッチが揃っているので、用途や好みに合わせて設定することができます。
カスタムスイッチ
カスタムスイッチ機能を使い、フォーカスリングを絞りとして静かに調節できます。
M1:フォーカス、M2:絞り
フォーカスホールドボタン
AFモードでこのボタンを押すとレンズのピント位置を固定したり、カメラ側の設定で瞳AF機能割り当てることが可能です。
AFしか使わないならカスタムスイッチをM2:絞りにすると、フォーカスリングで絞り値を変更できます。
ウェザーシーリング設計(防塵防滴仕様)と新デザイン
新しいSAMYANGのレンズデザインはかなり良くなったと思います。以前のデザインはぱっと見ても安っぽさがあったのですが、シンプルでかっこよくなりましたね。外装はプラスチッキーなので純正よりも質感は劣るのですが、そのおかげでこれだけの軽量化が実現できていると思うので、軽くて安くて写りもいいものを探しているという方は一度チェックしてみてもいいのではないでしょうか。
ウェザーシーリング設計ということで防塵防滴仕様なのも嬉しい点です。多少の雨水や雪にも問題無さそう。
外観と操作性
レンズ外観
新デザインとなったAF 50mm F1.4 FE IIは前デザインに比べてかなりシンプルでスタイリッシュです。鏡胴自体は短くなっていますが、逆に少し太くなっています。
前デザインでは明るい赤い輪っかが目立っていましたが、新デザインでは落ち着いた色になって斜め上からうっすら見える格好になっています。
マウント部は金属でしっかりしていて良いですね。
レンズフードの有無
フードは花形のものが付属しています。取り付けるとけっこう大きくなるので、普段はあまり付けていません…
SEL55F18Zと大きさ比較
焦点距離が近いレンズのSEL55F18Zを持っていたので大きさを比較してみました。F値が違うレンズなので比較しても意味がないかも知れませんが、参考までに。
前玉にはレンズ名やスペックが書かれてないのでかなりあっさりしてみえますね。
α7 IVに装着した外観
SONY α7Ⅳに取り付けた状態で写真を撮ってみました。触るとプラスチッキー感があるのですが、表面は少し凸凹な塗装となっていて見た目はかっこいいと思います。
こう見るとかなりシンプルなので少し飾り気がほしい気もしますね…(わがまま)
作例
スナップ写真
写りを言葉で表現するのは苦手なのですが、好みの描写なのは間違いないです。開放だとピントのあった場所の前後のボケが自然でいい具合に奥行き感を出してくれます。それに解像度が高いおかげか、立体感のある描写でドキッとさせてくれます。
しっとりした質感と立体感が出ててかなり好きな写りです。
歪曲や周辺減光
周辺減光・歪曲収差 補正あり
各種補正ありの状態で絞りごとに撮ってみました。周辺減光はF2.8でもう気にならないですし、歪曲も気になりません。
解像度的にF4〜5.6あたりからかなり良いなと感じていてよく使っています。
F1.4で周辺減光補正ON・OFF比較
左が補正ONで、右が補正OFFの画像です。スライドさせて確認してみてください。
F1.4で歪曲収差補正ON・OFF比較
左が補正ONで、右が補正OFFの画像です。スライドさせて確認してみてください。
若干の糸巻きが見られますがかなり優秀なんじゃないでしょうか。
AF 50mm F1.4 FE II レビューまとめ
- F1.4の明るい大口径AFレンズで420gという軽さは唯一無二!
- 同スペック帯のレンズの中ではお手頃価格で手を出しやすい
- Ⅰ型に比べてシンプルデザインで見た目もかっこよくなってる
- フォーカスブリージングが抑えられていて動画も撮りやすい
- デメリット…ないよ?…「純正しかダメ」って人以外の全員におすすめできます!
いや〜これは使っていてかなり楽しいレンズでした。絞ったときの解像感も最高ですし、開放F1.4でボケを効かせた表現も楽しく、かなり使い勝手の良いレンズだなという感想です。
純正のプラナー50mmF1.4を使ったことが無いのでしっかりとした比較はできないのですが、SAMYANG AF50mm F1.4 Ⅱは軽くてこれだけ写る、しかもお値段も控えめです。
どんどん高画素になっていくボディに対応するために大きく重たく高くなっているレンズが増えてきていますが、このレンズはその中でも手の出しやすい値段かなと思います。これからの標準レンズの1本として満足度の高い1本だと思います。
デメリットを探していたのですが大きなものはホントに見つからず、、、強いて言えば「レンズキャップの質感がしょぼい」「純正じゃない」っていうことくらいかなー。それよりもこの軽さと写りと値段のメリットが圧倒的で気にならないです。
サードパーティだからと敬遠している方も一度使ってみると考え方が変わるレンズだと思います。
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